Ruby環境構築手順

Attention! : このページの情報についての注意事項

このページでは、Rubyの環境構築方法を説明していますが、対応しているOSはMac OSのみですので、ご注意ください。

講義では時間の都合上割愛しましたが、研修で使ったPCのようにRubyを使う場合の環境構築手順を残しておきますので、いざMacに最初から構築する必要がある場合に参考にしてください。
なお、資料には情報が古い部分もあるかもしれませんので、もし見つけたら講師陣へご報告いただけると助かります。

Rubyのインストール

実はMac OSにはデフォルトでRubyがインストールされています。
しかし、そのバージョンは最新のものではありません。
また、実際に開発現場ではプロダクトごとに異なるバージョンのRubyが使われている場合がほとんどです。
そのため、Mac OSではrbenvというRubyのバージョンを指定したインストールやディレクトリごとのバージョン切り替えを簡単に行うことができるツールを利用するのが便利です。
それでは、以下の手順にしたがってrbenvからRubyをインストールするところまでやってみましょう。

手順1: Homebrewのインストール

まずは、Homebrewをマシンにインストールしましょう。
Homebrewは、Mac OS上でソフトウェアのインストールを簡単に行うための「パッケージ管理システム」です。

  • パッケージ:実行ファイルや設定ファイル、ライブラリ等を一つのファイルとしてまとめたもの
  • パッケージ管理システム:パッケージのインストール(アンインストール)作業を一元的管理するためのシステム

Homebrewのインストールはこちらを参考に行ってください。

インストールが完了したら、ターミナルで以下のコマンドを実行してみてください。
以下のように結果が表示されればOKです。

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$ brew search

a2ps               draco                  ipfs                  mp4v2            scummvm-tools
a52dec             drake                  iphotoexport          mpack            scw
aacgain            drip                   ipinfo                mpage            sdb
aalib              dromeaudio             ipmitool              mpc              sdcc
aamath             dropbear               ipmiutil              mpck             sdcv
  :                    :                     :                    :

ちなみに、このbrew searchというコマンドでは、Homebrewでインストールできるパッケージのリストを確認できます。

手順2: rbenvのインストール

それでは、Homebrewを使ってさっそくrbenvをインストールしてみましょう。
いっしょに、Rubyのビルドに必要なruby-buildもインストールします。

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$ brew update # Homebrewを最新の状態に
$ brew install rbenv ruby-build # rbenvとruby-buildのインストール

インストールが完了したら、 ~/.bash_profileに以下を記述し、sourceコマンドで再読み込みします。
これにより、rbenvを自動でロードしてくれるようになり、rbenvでバージョンを変えたのに反映されないという事故を防ぎます。

.bash_profile
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eval "$(rbenv init -)"
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$ source ~/.bash_profile

手順3: rbenvを使ってRubyのインストール

以下の手順にしたがってRubyをインストールしてみましょう。
バージョンは必要に応じて読み替えてください。

rbenvでインストール可能なRubyのバージョン一覧を確認

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$ rbenv install

:
2.7.0-dev
2.7.0-preview1
2.7.0-preview2
2.7.0-preview3
2.7.0-rc1
2.7.0-rc2
2.7.0
2.7.1
2.7.2
2.7.3
2.7.4
2.7.5
2.7.6
3.0.0-dev
3.0.0-preview1
3.0.0-preview2
3.0.0-rc1
3.0.0
3.0.1
3.0.2
3.0.3
3.0.4
3.1.0-dev
3.1.0-preview1
3.1.0
3.1.1
3.1.2
3.2.0-dev
3.2.0-preview1
:

バージョンを指定してRubyをインストール

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# Ruby 3.1.2をインストールする場合
rbenv install 3.1.2

rbenvでインストール済みのバージョン一覧を確認

カレントディレクトリで有効になっているものには、アスタリスク*が表示されます。

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$ rbenv versions

system
1.9.3-p551
2.5.0
2.7.3
3.0.1
* 3.1.2 (set by ***)

使うRubyのバージョンを指定する

  • ディレクトリ単位でバージョンを指定する場合
    1
    
    $ rbenv local {切り替えるバージョン}
    

カレントディレクトリに *.ruby-version.というファイルが生成されます。
rbenvはこのファイルを頼りに、そのディレクトリで有効にするRubyのバージョンを決定します。

  • システム全体のバージョンを指定する場合
    1
    
    $ rbenv global {切り替えるバージョン}
    

ただし、カレントディレクトリや親ディレクトリに .ruby-version のファイルが存在する場合、そちらが優先されます。

現在指定されているrubyバージョンを表示

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$ rbenv version

実際に参照しているRubyのバージョンを確認

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$ ruby -v

Rubyのバージョンが意図したものになっていれば、Rubyのインストールは成功です。

Let's enjoy programming!

Attention! : rbenvと実際のRubyのバージョンが異なる場合

もしもrbenvで見ているバージョンと実際のバージョンが異なる場合、 ~/.bash_profile の設定に誤りがある(環境変数のPATHが正しく通っていない)可能性があります。
確認してみましょう。

手順3.5: pryのインストール

Rubyのインストールに直接関係はありませんが、Rubyで開発をする上で便利なツールを紹介します。

  • irb:ターミナル上で対話的にRubyを実行できるライブラリです。
  • pry:irbの上位互換です。「変数名等の入力補完が可能」「シンタックスハイライトされる」「ドキュメントの閲覧」などが可能です。
  • pry-doc:クラス、モジュール、メソッドがどのように定義されているのか、簡単に確認することが出来ます。

現在の環境では、基本的にirbではなくpryを使うと良いでしょう。
pryは、以下のコマンドでインストールすることができます。

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$ gem install pry pry-doc

※ gemは、世界的に公開されているRubyのライブラリ群です。詳しくは12章 ライブラリで説明しています。

それでは、実際にpryを使ってみましょう。